4月30日は堀さんの祥月命日。
バイクにリターンしてから、毎年この時期に千葉にある彼女の
お墓にお参りをしている。
今週末は岡山国際サーキットで開催される「モトレボリューション
Rd.1」にGSX-R1000で、9日は近畿スポーツランドで予定
されている「サテライトステージ」にKSR80でエントリーしている
ため、早めにお参りをしてきた。
私はオットのご先祖と、私の実家のご先祖のお墓にお参りするのが
毎月のルーティーンなので、墓参りは得意である。
墓参りに「得意」という言葉はないかな。
でもお参りをすると、墓地を後にするころ、心が洗われるような気分に
なるというか清々しい気持ちになって、頑張るパワーをいただけたことを
実感できる。
だから得意というより、好きなのかな。
いつも、船橋にあるタバコセンターに立ち寄って彼女が好きだった
ジタンとゴロワーズをひと箱ずつ買い、霊園へ向かう。
私はタバコを吸ったことがないが、このお店の雰囲気が好きで
狭いがなぜか居心地がいい。
葉巻が放つ香りなのか、店主さんの気さくさか。
先日、神戸や有馬温泉に旅行された話を楽しそうにしてくださった。
広大な敷地の霊園にある堀家の墓所にはじめてお参りしたとき、
その位置が把握できず迷子になってしまった。
昨日はかなりの雨量だったのでタクシーを利用したが、
今では区割りがわからない運転手さんをナビできる。
今年は彼女に話したいことがたくさんあった。
まずは去年の耐久レースの結果報告。
リタイヤをリザルトに残してしまったことは、私の監督としての
資質のなさからで、パウダーパフ・レーシングを応援してくださった
多くの方々の期待にお応えすることができなかったこと。
ライダーが負ってしまった怪我に監督としての自信をなくし、
チームの運営に及び腰になって、方向性すら見失っていたこと。
でも、前を向いてチームとしてこれからやっていきたいことも
話した。
泣き言も、弱音も、愚痴も聞いてもらってすっきりした。
妄想かもしれない夢と願い事を聞いてもらって元気になった。
また、鈴鹿で再会することができた懐かしい人たちのことや
ライディングスポーツ編集長の青木さんに連れて行ってもらった
プレスルームでヨーコちゃんに会うことができ、昔話に花が咲いたこと。
face bookで堀さんのファンだった多くの方と繋がって、
改めて「堀ひろ子ファン」の多さに驚いたこと。
むかし、堀さんの前で緊張し、ひとことも話をすることが出来な
かった男子が、いい感じのオヤジになっていること。
カッコわるい私が、カッコイイ雑誌に載っけてもらったこと。
どうでもいいことも、たくさんしゃべった。
私より11歳も年上だった堀さんは今、17歳も年下になってしまった。
写真に写る堀さんはキレイなままでずるい!と、とりあえずいつもの
文句も言っておいた。
真冬に逆戻りしたような気温と冷たい雨が止まず、からだは
冷え切ってしまったが、1年ぶりに堀さんと話ができ
霊園を出るころには、心が温かくなっていた。