4月1日は堀さんの誕生日だった。

懐かしい写真を引っ張り出して、fbにアップしたら
たくさんの「いいね」をいただき、そして当時を懐かしんで
くださる人のコメントに、私も彼女とのたくさんの思い出が
浮かんで、柄にもなくウルウルしてしまった。

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写真は2回目の耐久レースの時のもので、今から
32年も前の写真なのに、今見ても彼女の存在感はすごいと
改めて思う。

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photo/Fujio Hara

きれいだとか、美人などという単純な言葉で片付けることが
できない、まさしく人を惹きつける「 オーラ」を持っている。

もちろん、ヘルメットはシールドをスナップ止めする古い型の
ものだし、ツナギだってプロテクターが装備されていない
直線的な昔のものだ。

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photo/Fujio Hara

でも、今も色あせた匂いを感じないのは、美しく輝く眼差しに
秘めた、夢に向かって走り続ける情熱が伝わるからだとおもう。

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photo/Fujio Hara

80年に続いて81年、鈴鹿サーキットで開催された
4時間耐久レースで、私は彼女とシンメトリーにデザインされた
ツナギを着て、同じペイントのヘルメットをかぶり、
同じピットにいて、そして一緒にグリッドに並んでいた。

最後の自分の周回数を終え、ピットロードで彼女と
ライダー交代をし、路面の状況を伝える。

ピットロード
photo/Fujio Hara

暑さと疲労で頭はボーっとしているのに
ピットを出ていく彼女の後ろ姿に息を飲んだ。

「堀さんって、本当にカッコイイなあ。」

ペアライダーとして、一緒に耐久を戦っているのに
いちファンのような、そんな不思議な感覚を抱いたことを
覚えている。

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彼女より11歳年下だった私。

なのに、今年の1月の誕生日で17歳も年上になってしまった。

私はどんどんおばさんになって、そしておばあさんになって
いくのに、いつまでもずっと格好良くって、きれいなままの
堀さんは、ホントにずるいなあと思う。