「バイクに乗っていることが、人の役に立つ。」

この言葉が胸に響き、防災に関する意識が大きく
変わったのは一昨年の秋。

facebookで片山敬済さんと28年ぶりに繋がって、
お誘いいただきBERTに参加したことで、である。

furuya
後右がBERT理事長片山さん、左は副理事廣岡さん
私の左は古谷さん、右は樋口さん

2年前のちょうど今頃、東日本大震災の惨状を映し出すテレビに
家屋を失い、家族を失った多くの被災された方々を思い
何か自分に出来ることはと、模索した。

どこよりも早く支援活動を開始したCivic Forceに送金をしたり
仙台の友人に連絡を取って必要な ものを聞き、作業着の
上下100枚を送った。
湯たんぽも送ったし、炊きだし用の寸胴も送った。

でも、現地へ行ってお手伝いすることが出来ない自分、そして
遠く離れた地で普通に生活していることに対する贖罪意識の
ようなものをずっと抱えていた。

旧ブログの更新が滞るようになったもの、この日からだ。

そんな思いを抱いているときにBERTを知った。

NPO法人BERT(バート)とは、震災などの災害発生時にバイクの
機動力を生かし、いち早く現場の情報を収集する とともに
救助へとつながる初期活動を行う民間レベルの緊急災害対策
チームのこと。

1977年にロードレース世界チャンピオンになった片山敬済
(かたやま たかずみ)さんの呼びかけで始まり、一昨年の秋に
NPO法人として設立された。

家屋の倒壊や地割れで道路が寸断され、四輪車では走行が
不可能な道路、また渋滞で動かない幹線道などもバイクだと
食糧や物資、人を運ぶことが可能である。

母ちゃん自身も、阪神大震災のときに二人乗りできるスクーターが
大活躍した経験を持っている。

うどんの炊き出しに通った東灘の公園への足は、当時オットが
所有していたFZ750と私のアドレス110だった。
荷物満載で、まっすぐに走るのが大変だったが。

バイクに乗っていること、そしてバイクに乗ることができる、
ということが有事の時に役に立つ、のである。

BERT主催で被災地の復興支援として企画された「One World
バトンリレー」や、防災減災を市民に啓蒙する 「笑って遊ぼう
ミキランド」などのイベントのお手伝いを したり、片山さんに
誘っていただき、海上自衛隊の基地を 訪問し、自衛官の方々に
震災時の緊急動員のお話を伺ううち、 防災のことや、
緊急救助技術などを学んでみたいと 思うようになった。

早速、近所の公民館で行われた地域防災講演会に参加した。
市政だよりに随時追加されていく「津波等一時避難場所」の
チェックは欠かさなくなった。

そして、防災士の資格を取るべく研修を受講して学んだことは、
自分の住む地域の起こりうる災害を予測し、状況を知ることが
防災の基本だということ。

その予測に対してあらゆる対策をイメージしなければならないと
いうこと。

そして、平時に備えることで助かる命は増えるということ。

BERTに参加する人のことをBERTY(バーティー)と呼ぶ。

BERTYとして得た知識を今は、自分の中で完結させて
いるだけであるが、いつ起きてもおかしくない
首都直下型地震や東海連動型地震に備え、
周囲の人々、地域の方々と共有していくことが急務だと
考えている。

未曾有の震災から2年たった今も、復興の道のりは
まだまだこれからだと思う。

被災地への応援は引き続き、母ちゃんに出来ることを
細く長くやっていこうと思っている。